塾長ノート

最上級における of の用法

集団の中から一つを取り出す

英語の最上級を勉強していると、次のような表現が出てきます。

He is the tallest of the three.
彼は3人の中で一番背が高い。

この文は、それほど難しくありません。 中学英語でもよく出てきます。

ただ、ここで使われている of をきちんと説明しようとすると、少し立ち止まる必要があります。

多くの場合、 of は「〜の」と訳されます。

そのため、 the tallest of the three も、なんとなく「3人の中で一番背が高い」と訳して終わりにできます。

もちろん、訳としてはそれで大きく間違っていません。

しかし、そこで終わってしまうと、 of が何をしているのかが見えにくくなります。

この記事では、最上級に出てくる of を、できるだけシンプルに整理します。

最上級は「一番」を選び出す表現である

まず、最上級そのものから確認しておきます。

最上級は、ある範囲の中で「一番〜だ」と言う表現です。

This is the biggest box.
これは一番大きい箱です。
She is the youngest student.
彼女は一番若い生徒です。
This is the most difficult question.
これは一番難しい問題です。

ここで大事なのは、最上級は、基本的に 比較対象となるまとまり を前提にしているということです。

「一番大きい」と言うからには、ほかにも箱があるはずです。

「一番若い」と言うからには、ほかにも生徒がいるはずです。

「一番難しい」と言うからには、ほかにも問題があるはずです。

つまり、最上級は、ただ「とても〜だ」と言っているわけではありません。

いくつかあるものを比べたうえで、その中から一つを選び出しているのです。

ここに、最上級で of が出てくる理由があります。

of は「全体と部分」をつなぐ

of には、さまざまな用法があります。

所有、所属、材料、内容、関係、原因など、文脈によっていろいろな意味に見えます。

だから、 of = 〜の とだけ覚えてしまうと、少し雑になります。

今回の最上級と関係が深いのは、 全体と部分をつなぐ of です。

たとえば、次の表現を見てください。

one of my friends
私の友達の一人
some of them
彼らのうちの何人か
three of the students
その生徒たちのうちの3人

これらの of は、単なる所有ではありません。

「私の友達」というまとまりがあって、そこから一人を取り出す。

「彼ら」というまとまりがあって、そこから何人かを取り出す。

「その生徒たち」というまとまりがあって、そこから3人を取り出す。

このように、 of は、まとまりと、その中の一部をつなぐことがあります。

そして、最上級に出てくる of も、この感覚で見るとかなりわかりやすくなります。

the tallest of the three は「3人の中から取り出す」

もう一度、最初の例文に戻ります。

He is the tallest of the three.
彼は3人の中で一番背が高い。

この文では、まず the three というまとまりがあります。

3人いるわけです。

その3人を比べたうえで、もっとも背が高い人を一人選び出す。

そのときに使われているのが of です。

つまり、 the tallest of the three は、直訳的に「3人の一番背が高い人」と見るよりも、次のように考えたほうが自然です。

3人というまとまりの中から、
一番背が高い人を取り出している。

日本語では「3人の中で」と訳すことが多いです。

ただし、英語の感覚としては、 of によって、全体と、その中から選ばれる一つが結ばれていると見るとよいです。

of のあとには「比較対象のまとまり」が来る

最上級の of のあとには、比較対象となるまとまりが来ます。

the best of all
すべての中で一番よいもの
the youngest of the five
5人の中で一番若い人
the most difficult of these questions
これらの問題の中で一番難しいもの

どれも同じです。

all という全体。

the five という5人のまとまり。

these questions という問題のまとまり。

その中から、一番のものを選び出しています。

だから、最上級の of は、単に「〜の」と覚えるよりも、次のように考えると見通しがよくなります。

最上級の of は、
まとまりの中から一つを選び出す of である。

in との違いも軽く見ておく

ここでよく出てくるのが、 in との違いです。

たとえば、次の2つを比べてみます。

He is the tallest of the three.
彼は3人の中で一番背が高い。
He is the tallest in the class.
彼はクラスで一番背が高い。

日本語では、どちらも「〜の中で」「〜で」と訳せます。

しかし、英語では少し感覚が違います。

of は、構成メンバーが見えているまとまりから、一つを取り出す感じです。

of the three
その3人の中から
of the five
その5人の中から
of these questions
これらの問題の中から

一方、 in は、場所・範囲・場の中で位置づける感じです。

in the class
そのクラスという範囲で
in the world
世界という範囲で
in Japan
日本という範囲で

もちろん、実際の英語では、表現ごとの慣用もあります。

そのため、「人の集まりなら必ず of 」「場所なら必ず in 」というふうに、機械的に覚えすぎるのは危険です。

ただ、基本の感覚としては、次のように整理しておくとよいです。

of は、まとまりの中から取り出す。
in は、範囲の中で位置づける。

今回の記事では、 in との違いを深追いしすぎません。

ここを細かくやり始めると、前置詞 of 全体の話になってしまうからです。

of all は「すべての中から」

最上級では、 of all という表現もよく出てきます。

This is the best of all.
これがすべての中で一番よい。
He is the kindest of all.
彼がみんなの中で一番親切だ。

この of all も、考え方は同じです。

all は「すべて」です。

その「すべて」というまとまりの中から、一番よいもの、一番親切な人を取り出しています。

だから、 of all は「すべての中で」と訳すだけでなく、 all という全体から一番のものを取り出している と見ておくとよいです。

of を「所有」だけで考えない

of というと、どうしても「〜の」と訳したくなります。

もちろん、それで処理できる場面もたくさんあります。

the color of the wall
壁の色
the name of the school
その学校の名前

ただ、 of をいつも所有や所属だけで考えると、最上級の of は少し見えにくくなります。

the tallest of the three

これは、「3人が彼を所有している」という話ではありません。

そうではなく、3人というまとまりの中から、一番背が高い人を選び出しているのです。

英語の前置詞は、日本語に一語で対応するわけではありません。

だからこそ、 of = 〜の という訳だけで覚えるよりも、働きで見ることが大事です。

今回の of であれば、ポイントは次の2つです。

  • 全体と部分をつなぐ
  • まとまりの中から一つを取り出す

この2つが見えると、最上級の of はかなり整理しやすくなります。

問題を解くためだけなら、ここまでで十分

受験英語や学校文法では、次のように覚えることが多いです。

最上級では、of the three や of all のように of を使う。
in the class や in the world のように、場所・範囲には in を使うことが多い。

これは、問題を解くうえではかなり役に立ちます。

ただ、丸暗記だけだと、なぜその前置詞が使われるのかまでは見えません。

そこで、 of を「取り出し」として考えてみる。

すると、 one of my friendsthe tallest of the three が、まったく別のものではなく、同じ線上にある表現として見えてきます。

ここが大事です。

英文法は、暗記を否定する必要はありません。

ただ、暗記したものの裏にある感覚が少し見えると、知識がバラバラになりにくくなります。

まとめ

最上級の of は、ただの「〜の」ではありません。

He is the tallest of the three.

この文では、 the three という3人のまとまりがあり、その中から「一番背が高い人」を取り出しています。

最上級は、ある範囲の中で一番のものを選び出す表現です。

だから、 of はその比較対象となるまとまりを示し、そこから一つを取り出す働きをしています。

今回のポイントをまとめると、こうです。

最上級の of は、
集団の中から一つを取り出す of である。

「〜の中で」と訳して終わりにしても、問題は解けるかもしれません。

でも、 of の働きまで見えると、英語の見え方が少し変わります。

最上級の of は、 of 全体の用法を考えるための入口にもなります。

今回はここまでです。 of 全体の用法や、 one of の後ろが複数形になる理由などは、別の記事で扱います。

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