never は、「決して〜ない」「一度も〜ない」と訳される単語です。
I have never been to France.
私はフランスに行ったことがありません。
He never tells a lie.
彼は決して嘘をつきません。
中学英語でもよく出てくる、かなり基本的な単語です。
ただ、この never をよく見ると、少し不思議です。
never は、意味としては not ever にかなり近いです。
never = not ever
一度も〜ない/どんな時にも〜ない
では、never はもともと not ever が縮まった語なのでしょうか。
結論から言うと、かなり近いのですが、現代英語の not ever がそのまま縮まって never になった、 と言い切ると少し雑です。
never は、古英語の ne「not」と、ever にあたる要素が結びついた語に由来します。 つまり、現在の英語で言えば「not ever」に近い発想を、古い英語の形で持っている語です。
今回は、never の成り立ちと、not ever との関係を整理していきます。
never は「一度も〜ない」
まず、never の基本的な意味を確認します。
never は、時間の中で「一度もない」ことを表します。
I have never seen snow.
私は雪を見たことがありません。
She has never eaten sushi.
彼女は寿司を食べたことがありません。
We have never met before.
私たちは以前に会ったことがありません。
現在完了と一緒に使うと、 「今までに一度も〜したことがない」という意味になります。
これは、ever の「いつか」「これまでに」という感覚を否定していると考えるとわかりやすいです。
Have you ever been to Canada?
あなたは今までにカナダへ行ったことがありますか。
I have never been to Canada.
私は今までに一度もカナダへ行ったことがありません。
ever が「いつか・これまでに」という範囲を広げる語だとすると、 never はその範囲全体を否定している語です。
never は「どんな時にも〜ない」
never は、現在完了だけでなく、習慣や性質を表す文でも使います。
He never gets angry.
彼は決して怒りません。
My mother never drinks coffee.
私の母はコーヒーをまったく飲みません。
She never forgets her friends' birthdays.
彼女は友達の誕生日を決して忘れません。
この never は、「一度も〜ない」というより、 「どんな時にも〜ない」「習慣としてまったく〜しない」という意味です。
つまり、never は時間の広がりを全部否定する語です。
いつを取っても、そういうことはない
という感覚です。
だから、never は単なる not よりも強い否定になります。
never と not の違い
never を理解するには、not との違いを見るとわかりやすいです。
I do not eat breakfast.
私は朝食を食べません。
I never eat breakfast.
私は朝食をまったく食べません。
どちらも否定文です。 しかし、強さが違います。
I do not eat breakfast. は、単に「朝食を食べない」という否定です。 文脈によっては、普段食べないという意味にもなります。
一方、I never eat breakfast. は、 「どの日も食べない」「一切食べない」という強い感じになります。
never は、時間の中のすべての場合を否定しているからです。
not:その内容を否定する
never:どの時点でも起きないと否定する
この違いを意識すると、never の感覚がつかみやすくなります。
never は not ever に近い
never の意味は、かなり not ever に近いです。
I have never seen him.
私は彼に一度も会ったことがありません。
これは、意味としては次のように考えられます。
I have not ever seen him.
ただし、現代英語では、普通は never のほうが自然です。
not ever は、強調や説明のために使われることはありますが、日常的には never のほうがすっきりしています。
I will never forget you.
あなたのことを決して忘れません。
I will not ever forget you.
どちらも意味は近いですが、後者は少し強調的、あるいは説明的に響きます。
したがって、学習者向けには、
never は not ever に近い
と考えるとわかりやすいです。
ただし、語源的に言うなら、never は「現代英語の not ever が縮まったもの」と考えるより、 古英語の ne と ever にあたる要素が結びついた語と見るほうが正確です。
語源を見ると ne + ever に近い
never の語源をたどると、古英語の nǣfre または næfre にさかのぼります。
これは、
ne = not
ǣfre = ever
にあたる要素が結びついたものと説明されます。
つまり、かなり大まかに言えば、
never = ne + ever
never = not + ever
という構造を持っているわけです。
ここで注意したいのは、古英語の ne は、現代英語の not そのものではないということです。 現代英語では否定に not を使いますが、古い英語では ne が否定の中心的な語として働いていました。
そのため、
never は not ever がそのまま縮まったもの
と言うより、
never は古い英語の ne + ever 系の語からできている
と言うほうが、少し正確です。
「元々2語だった」と言ってよいのか
では、この記事のタイトルに戻ります。
never は元々2語だったのか
これに対しては、
発想としては「not + ever」に近い。
ただし、現代英語の not ever が後から縮まったものではなく、古英語の ne + ever 系の要素が結びついた語。
と答えるのがよいです。
つまり、語源的には「2つの要素からできた語」と見てよい。 ただし、現在の not ever をそのまま合体させたものだと考えると、少しずれます。
このように、語源の話では、
ざっくりわかりやすい説明
正確さを保った説明
の両方が必要です。
学習者向けには、まず
never は not ever に近い
と考えるとわかりやすいです。
そのうえで、少し詳しく言うなら、
古英語の ne「not」と ever にあたる要素が結びついた語
と理解するとよいです。
ever は「いつでも・今までに」の広がりを持つ
never を理解するには、ever の感覚も大事です。
ever は、文脈によって「今までに」「いつか」「いつでも」のように訳されます。
Have you ever seen this movie?
あなたは今までにこの映画を見たことがありますか。
If you ever need help, call me.
もし助けが必要になったら、電話してください。
This is the best book I have ever read.
これは私が今まで読んだ中で一番よい本です。
ever は、時間のどこかに可能性を広げる語です。
「今までのどこかで」 「これからのどこかで」 「どんな時でも」
そういう広がりがあります。
never は、その ever の広がりを否定します。
ever:いつか・今までに・どんな時でも
never:どの時にもない・一度もない
こう見ると、never がなぜ強い否定になるのかがわかります。
never は「0回」の感覚
never は、回数で考えると 0回 の感覚です。
I have visited Kyoto three times.
私は京都を3回訪れたことがあります。
I have visited Kyoto once.
私は京都を1回訪れたことがあります。
I have never visited Kyoto.
私は京都を一度も訪れたことがありません。
never は、「0回」ということです。
ただの not よりも、経験や頻度をはっきりゼロにします。
だから、現在完了と相性がよいです。
have never done
今までに一度も〜したことがない
これは、英作文でも読解でも非常によく使います。
never は頻度副詞としても使う
never は、頻度を表す副詞としても考えられます。
頻度を表す語には、次のようなものがあります。
| 頻度副詞 | 意味 | ざっくりした頻度 |
|---|---|---|
| always | いつも | 100% |
| usually | たいてい | 高い |
| often | よく | 高め |
| sometimes | ときどき | 中くらい |
| rarely / seldom | めったに〜ない | 低い |
| never | 決して〜ない | 0% |
never は、頻度で言えば 0% です。
He always studies after dinner.
彼は夕食後いつも勉強します。
He sometimes studies after dinner.
彼は夕食後ときどき勉強します。
He never studies after dinner.
彼は夕食後まったく勉強しません。
このように、never は「どの時点でも起きない」ことを表します。
never は否定文なのか
never を使う文は、形としては not がありません。
He never studies.
しかし、意味としては否定です。
そのため、never を使うときには、さらに not を入れません。
He does not never study.
このようにすると、特殊な強調や二重否定の文脈を除けば、普通の英語としては不自然です。
ふつうは、
He never studies.
彼はまったく勉強しません。
と言います。
never 自体に否定の意味が入っているからです。
つまり、never は、
not の意味を含んだ副詞
と考えるとわかりやすいです。
never mind の never は少し慣用的
never を使った表現で有名なのが、never mind です。
Never mind.
気にしないで。/何でもない。
直訳すると「決して気にするな」に近いですが、 実際にはかなり慣用的な表現です。
たとえば、何かを言いかけてやめるときに、
Never mind. It's not important.
何でもない。大事なことじゃないよ。
のように使います。
また、相手に「気にしなくていい」と言うときにも使えます。
Never mind the mistake.
その間違いは気にしないで。
never mind は、never の「決して〜ない」という強い否定が、 慣用表現としてやわらかく使われる例です。
never say never は「絶対ないとは言うな」
もう一つ有名な表現に、never say never があります。
Never say never.
絶対にないとは言うな。
これは、「何が起こるかわからない」「可能性を完全には否定するな」という意味です。
ここでは、never が2回出てきます。
never say never
「never」と言うな
つまり、「絶対にない」と決めつけるな、ということです。
never は非常に強い否定なので、 それを言うこと自体に注意しよう、という表現です。
学習者はどう覚えればよいか
never は、まず次のように覚えるとよいです。
never = 一度も〜ない/決して〜ない
特に、現在完了との組み合わせは重要です。
I have never been to Okinawa.
私は沖縄に行ったことがありません。
I have never tried this food.
私はこの食べ物を試したことがありません。
次に、頻度副詞としての never も押さえます。
He never gets up early.
彼は決して早起きしません。
She never complains.
彼女は決して文句を言いません。
そのうえで、語源的には
ne = not
ever = いつでも・今までに
のような要素が結びついた語だと知っておくと、never の強い否定が理解しやすくなります。
英作文では not と never を混ぜない
英作文で注意したいのは、never を使うときに not を重ねないことです。
I have never been to America.
これは自然です。
しかし、
I have not never been to America.
とは普通言いません。
never の中に、すでに not の意味が入っているからです。
また、単純な否定と never の違いも意識したいです。
I don't eat breakfast.
私は朝食を食べません。
I never eat breakfast.
私は朝食を一切食べません。
never を使うと、かなり強くなります。 「まったくない」「一度もない」という意味になるので、使いすぎには注意が必要です。
読解では never の強さを読む
英文を読むとき、never が出てきたら、ただ「〜ない」と弱く訳すのではなく、 その強さを読み取ることが大切です。
He never gave up.
彼は決してあきらめなかった。
これは、単に「あきらめなかった」よりも強いです。 どんな時にもあきらめなかった、という意味です。
I will never forget this day.
私はこの日を決して忘れません。
これも、ただ「忘れない」ではなく、 「どんなことがあっても忘れない」という強い気持ちを表しています。
never は短い単語ですが、かなり強い語です。 そのため、文章の中では感情や決意の強さを表すことがあります。
まとめ
never は、「一度も〜ない」「決して〜ない」を表す副詞です。
- never は意味として not ever に近い
- 語源的には古英語の ne「not」と ever にあたる要素が結びついた語
- 現代英語の not ever がそのまま縮まったもの、と言い切ると少し雑
- never は「時間のどこでも起きない」ことを表す
- 現在完了では「今までに一度も〜ない」
- 頻度副詞としては 0% の感覚
- never 自体に否定の意味があるので、普通はさらに not を重ねない
never は、短い単語です。 しかし、その中には、
not
ever
時間全体の否定
という感覚が入っています。
だから、never はただの「〜ない」ではありません。 「一度もない」「どんな時にもない」という強い否定です。
語源を知ると、never の意味はかなり見えやすくなります。
ever:いつか・今までに・どんな時でも
never:どんな時にもない
この感覚を持っておくと、never の使い方も、英文の読み方もかなり整理しやすくなります。