塾長ノート

start と commence の違い

英語に残る日常語と改まった語

startcommence は、どちらも「始める」「始まる」と訳すことができます。

The meeting started at 10.
その会議は10時に始まりました。
The meeting commenced at 10.
その会議は10時に開始されました。

どちらも意味は通じます。 しかし、受ける印象は同じではありません。

start は、日常的で自然な語です。 友達との会話でも、学校の英作文でも、ニュースでも、かなり広い場面で使えます。 迷ったら start を使えば、ほとんどの場合は大きく外しません。

一方で、commence は少し改まった響きを持ちます。 式典、公式な案内、契約書、説明文、ニュース記事などに出てきやすい語です。 日本語で言えば、「始まる」よりも「開始される」に近い感じです。

ここまでなら、よくある単語の使い分けです。

しかし、この記事ではもう少し奥まで見ていきます。 start と commence の違いは、単なる「かたさ」の違いだけではありません。 その背景には、英語という言語が持っている二層構造があります。

英語には、古くから生活の中で使われてきたゲルマン語系の語と、 あとから入ってきたフランス語・ラテン語系の語が重なっています。 そして、しばしば前者は日常的、後者は改まった響きを持ちます。

start と commence は、その関係を見るための、とてもわかりやすい入口です。

まずは使い方の違いから見る

まず、実際の使い方から確認します。

日常会話で「始めよう」と言いたいとき、普通は start を使います。

Let’s start.
始めよう。
I started studying English again.
私はまた英語の勉強を始めました。
The movie starts at seven.
その映画は7時に始まります。

どれも自然です。 start はとても使いやすい語です。 「始める」「始まる」と言いたいとき、まず最初に覚えておきたいのは start です。

一方で、commence は次のような文でよく見かけます。

The ceremony will commence at 10 a.m.
式典は午前10時に開始されます。
Construction will commence next month.
工事は来月開始されます。
The new policy will commence on April 1.
新しい方針は4月1日に開始されます。

もちろん、commence も「始まる」「始める」という意味です。 ただし、日常会話で気軽に使う語というより、改まった場面に合いやすい語です。

たとえば友達に、

Let’s commence our homework.

と言ったら、文法的には理解できます。 しかし、かなり大げさに聞こえます。 「では、我々の宿題を開始しようではないか」みたいな響きになります。 ちょっとした冗談としてならありですが、普通の会話では不自然です。

つまり、基本的な使い分けはこうです。

  • start:ふつう。日常的。会話でも文章でも広く使える。
  • commence:かたい。改まった場面、公式な文章、式典などに合いやすい。

ここまでは比較的わかりやすいと思います。 問題は、なぜそのような違いがあるのかです。

start はゲルマン語系、commence はフランス語・ラテン語系

start と commence の違いを考えるとき、語源を見るとかなり見通しがよくなります。

start は、古英語やゲルマン語系の語にさかのぼる言葉です。 もともとは「跳び上がる」「急に動く」といった意味合いを持っていたとされます。 そこから、「動き出す」「始まる」という意味へ広がっていきました。

一方で、commence は古フランス語 comencier に由来し、 さらにラテン語系の語へとさかのぼることができます。 現代フランス語にも commencer という動詞があり、「始める」という意味で使われます。

つまり、ものすごく大きく分けると、

  • start:英語の土台に近い、ゲルマン語系の語
  • commence:フランス語・ラテン語系の語

という対比があります。

ここで注意したいのは、これは「語源がこうだから現在も必ずこう使う」という単純な話ではないということです。 語源は、現在の意味やニュアンスを考えるための補助線です。 由来だけで、すべての使い方が決まるわけではありません。

ただ、それでも英語には大きな傾向があります。 ゲルマン語系の語は、短く、日常的で、生活に近い言葉として残っていることが多い。 一方、フランス語・ラテン語系の語は、長めで、改まった場面や文章語、制度的な文脈に出やすいことが多い。

start と commence の違いも、この大きな流れの中で見ると理解しやすくなります。

英語は一枚岩の言語ではない

英語を勉強していると、同じような意味の単語がたくさん出てきます。

「始める」なら start, begin, commence。 「助ける」なら help, assist, aid。 「買う」なら buy, purchase。 「使う」なら use, utilize。 「尋ねる」なら ask, inquire。

日本語訳だけを見ると、どれも似ています。 だから、英単語帳では同じ日本語訳で並んでしまうことがあります。

しかし、実際には響きが違います。 使われる場面が違います。 文章の温度が違います。

その理由の一つが、英語の中にいくつもの層が重なっていることです。

英語の土台には、古英語以来のゲルマン語系の語があります。 そこに、ノルマン・コンクエスト以後、フランス語系の語が大量に入ってきました。 さらに、学問・法律・宗教・医学などの分野では、ラテン語やギリシア語由来の語も多く使われました。

その結果、英語には、

  • 日常生活に近い語
  • 公式な場面で使われる語
  • 学術的・専門的な語

が並んで存在するようになりました。

これは英語学習者にとっては少し大変です。 でも、見方を変えると、英語のおもしろさでもあります。 同じ意味に見える単語の中に、歴史や文化の層が残っているからです。

似たようなペアを見てみる

start と commence の関係に近いものは、他にもたくさんあります。 もちろん、すべてを「ゲルマン語系だから日常語」「フランス語・ラテン語系だからかたい」と機械的に分けることはできません。 ただ、英語の感覚をつかむうえでは役に立ちます。

日常的な語 改まった語 ざっくりした意味 印象
start / begin commence 始める commence は公式・文章語寄り
ask inquire 尋ねる inquire は丁寧・事務的
help assist 助ける assist は業務・案内で使いやすい
buy purchase 買う purchase は購入・取引の響き
use utilize 使う utilize は活用する感じ
end terminate 終える terminate は契約・制度で使いやすい
leave depart 出発する depart は交通・案内で使いやすい
need require 必要とする require は条件・規則で使いやすい

この表は、厳密な語源一覧ではありません。 ここで大事なのは、英語には「ふつうの言い方」と「改まった言い方」が並びやすい、という感覚です。

では、いくつか具体的に見ていきます。

help と assist の違い

helpassist は、どちらも「助ける」と訳せます。

Can you help me?
手伝ってくれる?
Can you assist me?
ご対応いただけますか。/手助けしていただけますか。

どちらも意味は通じます。 しかし、普通の会話では help のほうが自然です。

友達に対して、

Can you assist me with my homework?

と言うと、かなりかたく聞こえます。 間違いではありませんが、少しビジネスっぽい、あるいは事務的な響きになります。

逆に、ホテルや空港、店員さんの案内では assist が自然に使われることがあります。

How may I assist you?
どのようなご用件でしょうか。/何かお手伝いできますか。

このように、help は生活に近く、assist は少し改まった場面に合いやすい。 start と commence の関係にかなり近いです。

buy と purchase の違い

次に buypurchase です。

I bought a new bag.
新しいバッグを買いました。
I purchased a new bag.
新しいバッグを購入しました。

日本語でも、「買いました」と「購入しました」は少し違います。 「買いました」は日常的です。 「購入しました」はやや改まっています。

英語でも同じように、日常会話では buy が自然です。

I bought this book yesterday.
昨日この本を買いました。

一方、purchase は、商品説明、契約、レシート、利用規約、ビジネス文書などで使われやすい語です。

Please keep your receipt after purchase.
購入後はレシートを保管してください。

purchase を使うと、ただ「買う」というより、「購入する」「取引として取得する」という感じが出ます。 これも、日常語と改まった語の対比として見ることができます。

ask と inquire の違い

askinquire も、似たような関係です。

I asked him a question.
私は彼に質問しました。
I inquired about the schedule.
私は日程について問い合わせました。

ask はとても広く使える語です。 「聞く」「尋ねる」「頼む」など、日常的な場面でよく使います。

inquire は、より改まった「問い合わせる」に近い語です。 会社、窓口、案内、手続きなどの文脈に合いやすいです。

If you have any questions, please inquire at the front desk.
ご質問がある場合は、受付にお問い合わせください。

こういう文では inquire は自然です。 しかし、友達に「昨日何してたの?」と聞く場面で inquire を使うと、かなり不自然です。

I inquired what he was doing yesterday.

意味はわからなくもありません。 ただ、普通はこう言います。

I asked him what he was doing yesterday.
私は彼に昨日何をしていたのか聞きました。

つまり、英語では「同じ日本語訳になるから同じように使える」とは限りません。 単語には場面があります。

use と utilize の違い

useutilize も、学習者が混乱しやすいペアです。

I use this app every day.
私はこのアプリを毎日使っています。
We utilize this data to improve our service.
私たちはこのデータをサービス改善に活用しています。

use は普通に「使う」です。 とても広く使えます。

utilize は「活用する」に近い語です。 単に使うというより、何かの目的のために有効に使う感じがあります。 そのため、ビジネス文書や説明文では便利です。

ただし、utilize を使いすぎると、文章がやや重くなります。

I utilize a pen every day.

これは文法的には可能ですが、普通は大げさです。 「私は毎日ペンを活用しております」みたいな感じです。 ほとんどの場合は、次のように言えば十分です。

I use a pen every day.
私は毎日ペンを使います。

英作文では、難しい語を使うことよりも、自然な語を選ぶことのほうが大切です。

end と terminate の違い

endterminate も、かなり印象が違います。

The class ended at four.
授業は4時に終わりました。
The contract was terminated.
契約は終了されました。/打ち切られました。

end は「終わる」「終える」という広い語です。 日常会話でもよく使います。

terminate は、契約、雇用、サービス、制度などを「終了する」「打ち切る」という場面でよく使われます。 かなり事務的・制度的な響きがあります。

たとえば、友達との会話で、

The party terminated at nine.

と言うと、かなり不自然です。 普通はこう言います。

The party ended at nine.
パーティーは9時に終わりました。

しかし、契約やサービスの文章では terminate が自然です。

You may terminate this agreement at any time.
あなたはいつでも本契約を終了することができます。

これも、日常語と制度的な語の違いとして考えるとわかりやすいです。

leave と depart の違い

leavedepart は、どちらも「出発する」「去る」と訳せます。

I left home at seven.
私は7時に家を出ました。
The train departs at seven.
その電車は7時に出発します。

leave は日常的です。 「家を出る」「学校を出る」「会社を辞める」など、かなり広く使えます。

depart は、交通機関の案内や公式な文脈で使われやすい語です。

Flight 305 will depart from Gate 12.
305便は12番ゲートから出発します。

空港や駅の案内なら depart は自然です。 しかし、友達に「もう出るね」と言うときに、

I will depart now.

と言うと、やや大げさです。 普通は、

I’m leaving now.
もう行くね。

で十分です。

need と require の違い

最後に needrequire を見てみます。

I need your help.
あなたの助けが必要です。
This form requires your signature.
この書類にはあなたの署名が必要です。

need は人の気持ちや状況に近い語です。 日常会話でもよく使います。

require は、条件・規則・制度として「必要とする」という感じです。 たとえば、入学条件、申請書類、法律、規則、手続きなどに出やすい語です。

This job requires experience.
この仕事には経験が必要です。
Admission requires a placement test.
入学にはクラス分けテストが必要です。

need と require も、日本語ではどちらも「必要」と訳せます。 しかし、need は人間の感覚に近く、require は条件や制度に近い。 この違いは、英作文でかなり大切です。

難しい語を使えばよいわけではない

ここで一度、学習上の注意を入れておきます。

英語を勉強していると、難しい語を使ったほうが上級者っぽく見える気がすることがあります。 start より commence。 help より assist。 buy より purchase。 use より utilize。

たしかに、こうした語を知っていることは大切です。 長文読解では出てきますし、英検や大学入試でも見かけることがあります。 ニュースや説明文を読むうえでも役に立ちます。

しかし、自分で英語を書くときには注意が必要です。 難しい語を使えば自然になるわけではありません。

たとえば、次の文を見てください。

I commenced studying English yesterday.

意味は通じます。 しかし、普通の英作文なら、次のほうが自然です。

I started studying English yesterday.
私は昨日英語の勉強を始めました。

同じように、

I purchased a hamburger.

も、文法的には間違いではありません。 ただ、日常会話なら、

I bought a hamburger.
ハンバーガーを買いました。

のほうが自然です。

英作文では、「難しい語を使うこと」よりも「場面に合った語を使うこと」が大切です。 ここを間違えると、文法は正しいのに不自然な英語になります。

日本語にも似たような違いがある

これは英語だけの話ではありません。 日本語にも、日常的な言い方と改まった言い方があります。

日常的な言い方 改まった言い方
始める 開始する
買う 購入する
使う 使用する/活用する
聞く 問い合わせる
終わる 終了する

たとえば、授業の最初に先生が、

では、授業を始めます。

と言えば自然です。

一方で、式典のアナウンスなら、

ただいまより、式典を開始いたします。

のほうが自然です。

「始めます」と「開始いたします」は、意味としては近いです。 しかし、場面が違います。

英語の start と commence も、これに近いです。

Let’s start the class.
授業を始めましょう。
The ceremony will commence shortly.
式典はまもなく開始されます。

こうして日本語に置き換えてみると、違いがかなり見えやすくなります。

英語史を少しだけ見る

ここで、背景にある英語史を少しだけ見ておきます。

現代英語の土台には、古英語があります。 古英語は、ざっくり言えばゲルマン語系の言語です。 そのため、英語の基本的な語の多くはゲルマン語系です。

たとえば、日常生活に深く関わる語には、短くて基本的なものが多くあります。

  • man
  • woman
  • house
  • water
  • eat
  • drink
  • go
  • come
  • make
  • give

もちろん、ここに挙げた語をすべて同じように説明できるわけではありません。 ただ、英語の基礎語彙には、短く、日常的で、生活に密着した語が多いという傾向があります。

その後、1066年のノルマン・コンクエストをきっかけに、 英語はフランス語から大きな影響を受けました。 支配層、法律、行政、文学、宗教などの領域で、フランス語系の語が英語に多く入ってきました。

そのため、英語には次のような二層構造が生まれました。

  • 生活に近い、古くからの英語系・ゲルマン語系の語
  • 制度・法律・文章・学問に関わるフランス語・ラテン語系の語

start と commence の違いも、この流れの中に置くとわかりやすくなります。

cow と beef の話も同じ方向で見られる

英語史の話でよく出てくる例に、cowbeef があります。

cow は「牛」です。 beef は「牛肉」です。

なぜ動物としての牛と、食べ物としての牛肉で、違う単語を使うのでしょうか。

これも、英語の歴史と関係づけて説明されることがあります。 農民が世話をする動物としての語は英語系の語、 支配層の食卓に出る料理名としての語はフランス語系の語、 という対比です。

動物
cow beef
pig pork
sheep mutton
deer venison

もちろん、これも単純化しすぎには注意が必要です。 でも、英語の中に歴史的な階層が残っていることを感じるには、とてもわかりやすい例です。

start と commence も、これと同じように、 英語の中にある「日常語」と「改まった語」の層を見せてくれます。

commence はどこで使えばよいのか

では、commence は実際にどこで使えばよいのでしょうか。

中学生や高校生の英作文では、基本的には start を使えば十分です。 無理に commence を使う必要はありません。

ただし、次のような場面では commence が合います。

  • 式典やイベントの案内
  • 工事や計画の開始
  • 公式文書
  • 契約や制度の説明
  • ニュース記事や報告書

たとえば、次のような文です。

The entrance ceremony will commence at 9:30.
入学式は9時30分に開始されます。
The project will commence in June.
そのプロジェクトは6月に開始されます。
The new system will commence operation next year.
新しい制度は来年運用を開始します。

こういう文では、start より commence のほうが文章全体の雰囲気に合うことがあります。

ただし、普段の会話で、

I will commence my dinner.

と言う必要はありません。 これはさすがに大げさです。

I’ll start dinner.
夕食を始めます。/夕食にします。

で十分です。

begin はどこに入るのか

start と commence の話をすると、begin はどうなのかという問題も出てきます。

begin も「始める」「始まる」という意味です。

The class begins at nine.
授業は9時に始まります。
I began to feel nervous.
私は緊張し始めました。

begin は start より少し落ち着いた響きがあります。 ただし、commence ほどかたいわけではありません。

かなりざっくり並べるなら、

  • start:もっとも日常的
  • begin:やや落ち着いた標準的な語
  • commence:かなり改まった語

という感じです。

たとえば、学校の時間割では、

The class starts at nine.

も自然ですし、

The class begins at nine.

も自然です。

しかし、

The class commences at nine.

となると、少し公式な案内や規則の文のように聞こえます。

もちろん、文脈によっては自然です。 たとえば大学の公式案内や式典のプログラムならありえます。 ただ、普段の会話で使う語ではありません。

英作文ではどう使えばよいか

では、中学生・高校生が英作文でこの違いをどう活かせばよいのでしょうか。

基本方針はシンプルです。

  • 普通の「始める」は start を使う
  • 少し落ち着いた文章では begin も使える
  • 公式な開始・式典・制度では commence を読む語として知っておく
  • 自分で無理に commence を使いすぎない

たとえば、英作文で「私は英語の勉強を始めました」と書くなら、

I started studying English.

で十分です。

これを、

I commenced studying English.

と書くと、文法的には可能ですが、少し不自然です。 かなり改まった文章や特殊な文脈でなければ、start のほうが自然です。

一方で、「式典は10時に開始されます」と書くなら、

The ceremony will commence at 10.

は自然です。

もちろん、

The ceremony will start at 10.

でも間違いではありません。 ただ、commence を使うと、より公式な案内らしくなります。

読解では「かたさ」を読み取る

commence は、自分で使うよりも、読解で出会うことのほうが多いかもしれません。

英文を読んでいて commence が出てきたら、 まずは「始める」「始まる」と理解すれば十分です。

ただ、それだけでなく、

  • 少し改まった文章なのかな
  • 公式な説明なのかな
  • 制度・計画・式典の話なのかな

という雰囲気も感じ取れると、文章全体の読み方がよくなります。

英語の長文読解では、単語の意味だけでなく、文章のトーンを読むことも大切です。 start なのか commence なのか。 help なのか assist なのか。 buy なのか purchase なのか。

こうした選択には、文章の雰囲気が表れます。

語源は万能ではない

最後に、語源との付き合い方についても確認しておきます。

語源を知ると、単語の見え方が変わります。 start と commence の違いも、語源を知るとかなり納得しやすくなります。

ただし、語源だけで現在の意味を決めつけるのは危険です。

言葉は長い時間の中で変化します。 もともとの意味から離れることもあります。 由来は同じでも、現代では違う使い方をすることもあります。 逆に、由来は違っても、現代ではかなり近い意味になることもあります。

だから、語源は「絶対ルール」ではなく、「補助線」として使うのがよいです。

この単語はなぜかたいのか。 なぜ文章語っぽいのか。 なぜ日常会話では別の語を使うのか。

そうした疑問を考えるとき、語源はとても役に立ちます。 でも最後は、実際の使われ方を見る必要があります。

まとめ

startcommence は、どちらも「始める」「始まる」という意味を持ちます。 しかし、使われる場面や響きには違いがあります。

  • start は日常的で、会話でも文章でも広く使える
  • commence は改まった語で、公式な場面や文章に出やすい
  • start はゲルマン語系、commence はフランス語・ラテン語系の語として説明できる
  • 英語には、日常語と改まった語が並んでいることが多い
  • help / assist、buy / purchase、ask / inquire なども似た方向で考えられる
  • ただし、語源だけで現在の使い方を決めつけてはいけない
  • 語源は英語のニュアンスをつかむための補助線として使うとよい

start と commence の違いは、単なる単語の暗記ではありません。

そこには、英語という言語がたどってきた歴史が少し見えています。 生活に近いゲルマン語系の語。 制度や文章に入り込みやすいフランス語・ラテン語系の語。 その二つが重なって、現代英語の豊かな語彙ができています。

英単語を覚えるとき、日本語訳だけを丸暗記すると、 start も commence も「始める」で終わってしまいます。

でも、実際には言葉には温度があります。 場面があります。 歴史があります。

「この単語はどんな場面で使われるのか」 「この単語はどんな響きを持つのか」 「なぜ似た意味の単語がいくつもあるのか」

そういう視点を持つと、英語の勉強はただの暗記ではなくなります。 単語の背後にある文化や歴史まで、少しずつ見えるようになります。

start と commence の違いは、その入口としてとてもよいテーマです。 まずは start を自然に使えるようにする。 そして commence が出てきたときには、「これは少し改まった語だな」と感じ取れるようにする。

それだけでも、英語の読み方は一段深くなります。

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